浅葱の花びら
ニコリと笑って誤魔化した


俺は、屯所への道のり

これからどうしようかと考えた



こんなに自分のことを考えたのは
久しぶりだ



「藤太郎!良かった!無事だった!」



母に内緒で出てきたのだろう
父が俺を見てすぐに


「診せろ」



俺は首を振った


喉に手を当て、声が出ないことを伝えると
すぐに父の手が俺の喉を調べた

暖かくて、大きな手だ


「腫れはない…心労だろう
辛いなら、帰ってこい!」


笑って首を振った

俺の症状が気になり出した父
右手をとられ、脈を診られ
目を診られた


「なんの病だ?」


俺は、懐から薬を出した



「なんてことだ!心臓か!?」







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