浅葱の花びら
父さんは、堂々としていた


「今更と想われるでしょうが
この子は、大事な娘です
薫という名をつける予定でした
母親が、藤太郎の生まれ変わりだと
はしゃいだことで、なんとなく男として
身勝手な親の都合で育ててしまった」




俺にも、俺の名があったんだ


驚き父を凝視した


「精神にも、体にも、負担が大きい
薫にこのまま男として生きることは
無理だと想います!
どうか、新選組の女中にして下さい!」


人に頭を下げる姿を見た記憶がなかった

父は、俺の為に頭を下げてくれている



「1ヶ月前くらいに、女中の話は
本人から嫌だと、言われたんですが…」



あ!



そうだった!!!







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