浅葱の花びら
数日後




薫が女中達と楽しそうにしているのを
通りすがりに見た

薫が僕に気がつき、ペコリと会釈した

僕は、気まづくてその場を去ろうとする


「ゴホンッ」


振り返ると土方さんがいて、ゴンと
拳骨が落とされた


「無視とかすんな!ガキじゃあるまい!」


僕が急に殴られたもんだから
どうしたのかと薫が駆け寄る


「すまねぇなぁ~
態度が悪いと叱ってたところだ」

「僕が悪いんだけど
急に拳骨って酷くない!?」


「クスクス」 ニコリ



笑い方も笑顔も

すっかり女の子だ



お辞儀して、女中達のところに戻っていく




「男のまま、僕のそばにいて欲しかった」


「そりゃ残念だったな!
楽しそうで良かったじゃねぇか!
お前が喜んでやらねぇでどうする!
早く、労咳治して結婚の申し入れしろ!」


「結婚…かぁ」


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