浅葱の花びら
九、薫
「もう無理はきかない
療養した方がいい」
父の診断では、もう永くないとのこと
「薫… 帰っておいで」
「母さんが不安になるよ」
そうだったと項垂れる父に
追い打ちをかける
「もう、薬はいいよ
父さん、お願いがあるんだ
母さんと孝太と京を離れてくれないか」
俺の死をしらせないために
喋れるようになったのは、一年前
新選組では喋れないフリをしている
「わかった…」
父さんが俺を抱きしめ泣いた
親より先に逝くなんて
絶対ないと思ってた
俺は、藤太郎とは違うと思ってた
両親を悲しませないと思ってた
「さよなら…」
療養した方がいい」
父の診断では、もう永くないとのこと
「薫… 帰っておいで」
「母さんが不安になるよ」
そうだったと項垂れる父に
追い打ちをかける
「もう、薬はいいよ
父さん、お願いがあるんだ
母さんと孝太と京を離れてくれないか」
俺の死をしらせないために
喋れるようになったのは、一年前
新選組では喋れないフリをしている
「わかった…」
父さんが俺を抱きしめ泣いた
親より先に逝くなんて
絶対ないと思ってた
俺は、藤太郎とは違うと思ってた
両親を悲しませないと思ってた
「さよなら…」