浅葱の花びら
土方さんが薫を抱きかかえた


「総司!医者に診せるぞ!」



薫が…

死んじゃう…




僕は、土方さんの後ろを走る



















偶然診せた医者が

「浅野先生の娘さんやな」


薫を知っていた




診察もせず




「このまま逝かせてやりましょう」



「やだ…」






僕がぽつんと呟いた声に
応えるように
薫の右手が僕の袴をつまんだ





「総司 ありがとう」





それは、さっきもきいたけど
なんにたいしての感謝なの?




「薫ちゃん、心臓を病んで久しい
先日、浅野先生から薬をやめると聞かされて、そろそろなのかなと思っていたんだ」







< 125 / 127 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop