浅葱の花びら
僕は、薫の右手に手を添えた


「僕に言って欲しかった」


「俺は… 総司に斬られて死にたかった」



それから、薫は尋常じゃないくらい苦しみ
逝ってしまった






僕は、薫を抱きかかえ
屯所に戻った



ぐしゃぐしゃに握りつぶした紙を持った
祐也が薫の顔を、見て


「バカヤロー!!!」



掴みかかろうとしてきた
僕は、薫を包み庇った



ぐしゃぐしゃの紙を土方さんに読ませた




「両親は、京を出ている
死を知らせないで欲しいって
それから、新選組の皆に感謝してると」




土方さんが上を向いて
涙を流した



僕は、それを見て




薫が死んだんだと実感しはじめた






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