浅葱の花びら
「お前、好きな奴いないだろ?」

「いない」

「人を愛せ、その人の為に生きろ
自分がしたいことをしろ
誰かの言いなりではない
自分の心のままに生きろ」

芹沢の方を向いた

この人は、女として生きろと言っている
そう、確信したからだ

「俺、嫌々男でいるわけじゃないよ」

「では、これからどう生きるのだ?」

先ほど、沖田の質問に返せなかったように
小首を傾げた

「藤太郎、お前は、どうしたい?」

「俺は、医者になる」

「なりたいのか?」

なぜ… 沖田と同じ言い回しをしてくるのだろう?

なぜ… 返せないんだろう


「なる としか、言えない」

「親に言われた通りに生きているだけだ
考えろ!自分がどう生きたいのか!」





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