浅葱の花びら
芹沢さんは、僕を可愛がってくれた

試衛館の皆とは、少し違った

皆は、僕を子供扱いする
年下の平助君でさえ

芹沢さんは、僕に恋をしろと言った
僕を1人前の男として扱ってくれた



江戸にいる頃、僕を好いてくれる娘に
僕は、酷いふり方をした

僕が未熟だったせいで
彼女は、自害しようとした
幸い、命は助かり、近藤さんの計らいで
良いところに嫁にいった


そんな経験があったこともあり


恋をしろと言われても


正直、どうすれば恋するの?



って、困ったくらいだ
















だけど、胸が高鳴るんだ




藤太郎を見ていると


どうしょうもなく










初恋が藤太郎だなんて

芹沢さんに言えば、ガハガハと
笑われるだろうな…





芹沢さんの墓の前でひとり

僕は、眉を下げた







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