浅葱の花びら
土方が祐也を見据えた

「俺は、兄の生まれ変わりなんだ」


祐也は、優しい
俺の事を言ったりしない
嘘もつけない
だから、自分で言うしかない

土方が仕向けている
俺は、それに応えよう


「俺が産まれる前に、産婆を呼びに夜出かけた兄の藤太郎が斬られた
両親は、生まれ変わりだと信じている
俺もそうだと思っている
世間では、そうじゃないとしても
両親には、俺が藤太郎なんだ
俺は、死なないように生きてきた
生きているだけで、両親が喜ぶなら
言いなりも悪くなかったよ
でも、俺を案じる両親も最近は、苦しそうで… 
こんな生活は、長く続かないと思ってた
なので、医術の修行ってことなら、両親にも悪い話じゃないから
離れてみることにした」





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