浅葱の花びら
なぜか、藤太郎は複雑な表情をしてた

何か、諦めに似たその表情




土方さんも気がついていた




「お前が女ということは、他に漏らさないだから、今まで通りでいいからな」



藤太郎は、にこりと笑い



「はい」




なんとも嘘くさい笑い方をした



両親に見せていた笑い方だ




僕は、藤太郎と部屋に戻った



「聞いてもいいか?」


「いいよ」


「沖田さんは、俺と同室のままでいいのか?」


「いいよ!そんなこと気にしてたの!?」


「そんなこと?」


「藤太郎と同室になりたいって
僕が、頼んだんだよ!」


「…そうなんだ」



僕は、男に恋心を抱いてしまったと
焦る反面、他の誰かと仲良くなるのが嫌で同室を希望した


< 52 / 127 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop