浅葱の花びら
帰り道

藤太郎が寄り道したいと言って
僕に金平糖を買ってくれた


なんとなく実家を避けるためだと
気がついてたけど

ニコニコしてる藤太郎に
僕もニコニコしてる



でも、折角遠回りしたのに

藤太郎のご両親にバッタリ

往診の、帰りだったんだろう




藤太郎は、2人にペコリとお辞儀した




藤太郎を避けるように
2人が無言で通り過ぎた




こんなの、辛すぎる




「良かった… 何も言われなくて!」


藤太郎は、笑った


心底ホッとしているようだった



「藤太郎」

「総司がいてくれて良かった!」




藤太郎の笑顔は、泣いているようだった

へらへらと口数が多いのは、僕に気を遣わせない為なんだろうな


って、僕が気を遣わせてどうする!!









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