浅葱の花びら
数日後の非番


僕と藤太郎は、少し離れた場所から
藤太郎の実家を見て、立ち尽くしている


藤太郎の両親は、養子を貰ったようだ



楽しそうに笑っている両親から
藤太郎が目を背け
僕の方を見て、笑った



心臓がえぐられる感覚




こんな状況で笑ったりしないでよ

僕は、いつかの旅籠に藤太郎を連れて来た




「僕も後継ぎになれなかったんだ
複雑な気持ちだったよ
なりたかったわけじゃないけど
ならなくていいと言われた時は
家族に見放された気持ちになった
僕はいっぱい悩んで泣いた
急に生き方がわからなくて
皆が敵に見えた
僕のこと見つけてくれた近藤さんのおかけで、どう生きたいかわかってからは
心の曇りが晴れたんだ!」




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