浅葱の花びら
藤太郎は、僕の話を真剣に聞いてくれていた


「君は、君の人生をみつけていいんだよ
誰かの顔色を伺ったりしなくていい」



藤太郎が泣いたのは、土方さんに信じて貰えなかった時


あの時、藤太郎は新選組の為に
とっても恐い思いをしたんだ

震えていた姿を思い出した



「君は、とても勇気がある
仲間の為に、自分を犠牲にしたり
ひとりで、危険に立ち向かったり
僕は、藤太郎… 君が、好きだよ
男とか女とか
そんな小さなことじゃない
君という人が好きなんだ」


藤太郎は、とても穏やかな笑みを浮かべ


何か言おうと口を震わせていた


食べる時は、開くのに
喋ろうとすると震える唇





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