美男子の部屋に保護されました
宮原さんが戻ってきて、一緒に朝食を食べる。

「由里子さんは、何歳?」

そうか、そんな事も私たちは知らないんだ。

「25歳です。宮原さんは?」

「俺は27。2歳違いなんだな。
じゃあ、趣味は?って、聞かなくても
分かる気もするけど。」

「読書です。
宮原さんは?」

「俺も読書。
他には、ドライブとか、映画鑑賞とか。」

「ふふっ」

私は、なんだかおかしくて、笑いがこみ上げた。

「何? 俺、なんか変なこと、言った?」

宮原さんが心配そうに私を見る。

「いえ、違うんです。
会話が、なんだか、お見合いみたいだなって
思ったら、おかしくなって。
ふふふっ」

人見知りでおとなしいと思われがちな私だけど、実は箸が転んでもよく笑うと両親から言われるほど、笑いのツボが浅い。

「ああ! 言われてみれば。」

宮原さんも笑い、私は尚もくすくすと笑い続け、思いのほか楽しい食卓となった。

一人暮らしを始めてから、こんな風に笑いながら食事をしたことはなかったな。

そう思うと、今日の食事はとても貴重で、幸せな時間であるような気がした。
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