美男子の部屋に保護されました
「由里子さん。」

不意に運転席から宮原さんが呼ぶ。

「はい。」

「来週は、月・火とお休みですよね?」

宮原さんがちらりとこちらに視線を寄越しながら言った。

「はい。」

「だから、俺も休みを取りました。
2人でどこかへ出かけませんか?」

それって…
もしかして、デート?

「はい!」

嬉しい。
こうして送迎してもらってるだけで、ドライブみたいなのに、改めて2人で休日に出かけるなんて…

「どこか行きたい所、ありますか?」

え、急に言われても…

「いえ、これといって… 」

「由里子さんは『朧月』は読みました?」

「っ! はい! 大好きな作品です。」

興奮して、いつもより大きな声が出てしまった。

「くくっ
俺も好きなんです。
その話に出てくる場所が実在するのは
知ってます?」

「はい。聞いた事はありますけど… 」

「そこ、一緒に周りませんか?」

「はい! 行きたいです。」

嬉しい〜!!
今から、わくわくする。
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