美男子の部屋に保護されました
大和さんのお父様が懇意にしてるというテーラー裁(たち)で作っていただいたウエディングドレスに身を包み、私は父と共に即席のバージンロードを歩く。

左右には椅子が並べられ、参列者が座っているが、そのさらに右奥には貸し出しカウンター、左奥には児童書のコーナーが見える。

「ママー、見て見て!
お嫁さん!」

絵本を抱えた女の子がこちらを見て叫んでる。

ふふっ
かわいい。

女の子のお陰で、緊張も解けた気がする。

ゆっくり歩いて、私は父のもとを離れ、大和さんの腕を取る。

神父役は館長。

ふふっ
館長の手が震えてる。

本人でもないのに、そんなに緊張するなんて。


私は、みんなに見守られて、大和さんの妻となった。


もちろん、仕事中の職員も参列者である。

貸し出しカウンター内には優美の他数名がフォーマルドレス姿で貸し出しや返却の業務をしている。

誓いの言葉の合間にもピッというバーコードリーダーの音が聞こえる。

そして、結婚式終了後には、館内の一般の利用者さんからも拍手をいただいた。
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