毒壺女子と清澄男子
「ただいまー、晃」
スーパーの袋をガサガサ鳴らしながら、さも大変そうに靴を脱ぐと中にズカズカ上がり込んできてローテーブルの対面に座っていた晃の側へそろそろと座り、あたしをじーっと見つめる
「ごめんなさいねー、えーと、みさとさんだっけ。晃ってハッキリしないから、まだ話し合いが終わってないみたいね」
「誰? 晃」
スーパーの袋の傍らに置かれた財布とスマホしか入らなさそうな小さなピンクのバッグに付けてある『妊婦キーホルダー』という状況からして別れたい理由は分かった、が、あたしは妙なSっ気を出してこの女が誰なのか質問をした
晃は付き合い始めた頃の童貞っぽさを一瞬取り戻したかのような気弱な顔をして、膝の上に置いた拳をブルブル震わせながら
「こういう事、だから」
と蚊の鳴くような声で返す
相手の女は派手な顔立ちへ満面の笑みを浮かべ、そーなのよー♪ と言わんばかりに頷く
図太い神経の女と気弱な男はお似合いだと思ったあたしは、トドメを刺して終わりを宣言する事にした
「一度浮気したら、何度でもやるって言うよね、あたし、そういうので今後悩まされたくないし、結果もデキちゃっただとか笑える、じゃあね避妊も出来ないヤリ○ン君。あと、そのゴム要らず女からあたしと付き合うまで童貞だったあんたを仲介して性病うつされてたら弁護士立てて両方からガッポリいただくんでよろしく」
突然すぎる展開に涙なんか出なかった、というか泣くよりもバカ男の晃と側に居る避妊もせずに男を受け入れる事で子供を作れば勝ちだと思い込んでいるバカ女に一発食らわしてやりたかったのだ
それだけ言うと、アパートから出て一人
後はどう帰ったか分からないが翌朝、バッグの中に大学時代サークルの先輩が経営しているバーのライターがあったから、多分、そこで飲んで事情を先輩に暴露したのだろう
その証拠にそれから半年後の日曜日の昼に同じバーで開かれたサークルのOB会で
「今日、あいつの結婚式だったろ? 俺、参加するって返信しておいてサボっちゃってさー」
「あ、私もでーす」
「俺も~余興やる! とか言いながらバックレたわー」
と、いう声があちこちで上がった
スーパーの袋をガサガサ鳴らしながら、さも大変そうに靴を脱ぐと中にズカズカ上がり込んできてローテーブルの対面に座っていた晃の側へそろそろと座り、あたしをじーっと見つめる
「ごめんなさいねー、えーと、みさとさんだっけ。晃ってハッキリしないから、まだ話し合いが終わってないみたいね」
「誰? 晃」
スーパーの袋の傍らに置かれた財布とスマホしか入らなさそうな小さなピンクのバッグに付けてある『妊婦キーホルダー』という状況からして別れたい理由は分かった、が、あたしは妙なSっ気を出してこの女が誰なのか質問をした
晃は付き合い始めた頃の童貞っぽさを一瞬取り戻したかのような気弱な顔をして、膝の上に置いた拳をブルブル震わせながら
「こういう事、だから」
と蚊の鳴くような声で返す
相手の女は派手な顔立ちへ満面の笑みを浮かべ、そーなのよー♪ と言わんばかりに頷く
図太い神経の女と気弱な男はお似合いだと思ったあたしは、トドメを刺して終わりを宣言する事にした
「一度浮気したら、何度でもやるって言うよね、あたし、そういうので今後悩まされたくないし、結果もデキちゃっただとか笑える、じゃあね避妊も出来ないヤリ○ン君。あと、そのゴム要らず女からあたしと付き合うまで童貞だったあんたを仲介して性病うつされてたら弁護士立てて両方からガッポリいただくんでよろしく」
突然すぎる展開に涙なんか出なかった、というか泣くよりもバカ男の晃と側に居る避妊もせずに男を受け入れる事で子供を作れば勝ちだと思い込んでいるバカ女に一発食らわしてやりたかったのだ
それだけ言うと、アパートから出て一人
後はどう帰ったか分からないが翌朝、バッグの中に大学時代サークルの先輩が経営しているバーのライターがあったから、多分、そこで飲んで事情を先輩に暴露したのだろう
その証拠にそれから半年後の日曜日の昼に同じバーで開かれたサークルのOB会で
「今日、あいつの結婚式だったろ? 俺、参加するって返信しておいてサボっちゃってさー」
「あ、私もでーす」
「俺も~余興やる! とか言いながらバックレたわー」
と、いう声があちこちで上がった