秘密の同居生活~オレ様副社長の罠にはめられました~
「それで?どうするつもりだ。」

大きな社長机の向こうに座っている父親は、やはり社長としての威厳があって、俺の背筋は自然にピンと伸びてしまう。

「かおりのことなら、もうかたはついたはずです。慰謝料は僕が払います。父さんには迷惑はかけません。」

「それは、もういい。慰謝料も俺が払う。これは九条家と千石家の問題だ。お前が個人的に支払うのはおかしい。九条のことは俺が責任を持つ。」

「ですが、これは僕のわがままから来たことです。」

「だまれ。九条のことは俺に従ってもらう。お前のような青二才にはまだ無理だ。」

そう言い放つ父親にはオーラがあった。
九条の頭首として生きてきたオーラが…

青二才か…
たしかにそうかもな…
俺はまだまだ父親にはかなわない…。

「わかりました。では甘えさせていただきます。」

俺は深々と頭を下げた。

「俺が言ってるのはそのことじゃない。葛城夏菜のことだ。」

「え?夏菜ですか?」
< 101 / 244 >

この作品をシェア

pagetop