秘密の同居生活～オレ様副社長の罠にはめられました～

「なんですか？それ。どういうことです？」

俺は思わずデスクに身を乗り出した。
母親がなんかしたのか？夏菜に。

「聞いてないのか？彼女に？」

「だから何なんです？」

「毎日のように彼女に家に行ってるぞ。もう取り憑かれたかのように…。よっぽどお前とかおりさんを結婚させたかったのだろう。こんなこと、本人同士の問題だというのに何度言ってもわかりはしない。」

取り憑かれたかのようにって…

「なぜ止めないんです？父さん。」

何考えてる？
危害加えてないだろうな…

「止めても…無駄だよ。今は。俺は本当は医者にかかった方がいいと思ってるくらいだ。」

なんだよ。それは。
なんで自分の嫁のことなのにそんなに他人事なんだよ。

そんなんだから…
そんな仮面夫婦だから…

母親もおかしくなってしまうんじゃないか…。

「今すぐ病院に通わせてください。いや、僕が手配します。」