秘密の同居生活～オレ様副社長の罠にはめられました～

結局、夏菜との話はうやむやなまま、母親の話で終わってしまい、俺は社長室を出ると、京太郎を呼んだ。

「母親を心療内科に通院させたい。」

「何があった？」

俺は父親と話した内容を京太郎に伝えた。

「俺も母親に会ったわけじゃないからどんな感じなのか知らないんだが婚約破棄の時もちょっとおかしい気がした。」

「そうか…わかった。手配する。」

京太郎は何か言いたそうにしたが、俺がシンガポール帰りで忙しいことがわかってるのか、あえて何も言わずに出て行った。

忙しい…けれど、なるべくはやく終わらせて帰らなければ…

夏菜のとこに母親が来たのかどうか、なんかされてないかどうか…確かめないと…

その夜…

どんなに超特急で仕事しても、やっぱり遅くなって、葛城邸に戻った。

夏菜の心配と…
そして
今日も夏菜のごはんがたべれるって…それだけを楽しみにしながら…曲がり角を曲がった時のことだった。

俺は信じられないものを見た。