秘密の同居生活～オレ様副社長の罠にはめられました～
葛城邸の玄関の前で夏菜が誰かにハグされている。

夏菜の足許には心配そうにたたずむジュジュ。

顔なんて見なくてもわかった。
明るめの茶髪にＴシャツにジーパン。
そんなヤツ、諒ちゃんと呼ばれた男以外にいない。

俺の車を見つけたジュジュはワンワン吠えながらこちらにやってくる。

ハグしていた2人もこちらに気づいてパッと離れる。

俺も逃げるわけにもいかず、そのまま降りてシャッターを開けると、車を駐車し、心を落ち着けるために深呼吸した。

ふぅ～。

外に出たら、諒ってやつが眉を吊り上げて近づいてくる。

「あんた。夏のこと放っておいて何考えてんだよ！」

首根っこに掴みかからんばかりの勢いだ。

「諒ちゃん！やめて！」

夏菜がそのうしろからやってきて、諒ちゃんの肩をつかもうとする。

「夏。ちょっと中入ってろ。コイツと話がある。」

「諒ちゃんやめてよ。ふ…春くんには関係のないことなんだから！」

「夏菜！いいからジュジュ連れて中入って待ってろ。」

俺も諒ちゃんとはいずれ話さなければならないと思っていた。
いい機会だ。
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