秘密の同居生活～オレ様副社長の罠にはめられました～

俺がきつめに言ったので、夏菜はもう何もいわずにジュジュを連れると中に入っていった。

「おまえ！夏とどういう関係だ！」

夏菜が玄関ドアの中に消えると、諒ちゃんがかみついてきた。

「待て。ここじゃ近所の目があるだろ。ちょっとそっちの公園行って話そう。」

俺が提案すると、諒ちゃんも納得したらしく、2人して無言で100mほど先の公園へ歩いた。

公園につくと、諒ちゃんは立ったまま、俺を正面からにらみつける。

「今日、俺がタッパー返しに行ったら、高級車から降りてきたセレブっぽいおばさんが一方的に怒ってて、夏をひっぱたいた。」

ひ、ひっぱたいた？！
俺は一瞬目を見開いた。

「俺はバイクから降りて、大急ぎで夏をかばったけど、夏は耐えてて、いいって言うんだよ。わたしのことだから諒ちゃんはだまっててって。しかも怖くて小刻みに震えてるのにだよ。」

なんだよ。それ。
いつからだ。夏菜。いつから母親は夏菜のとこに来てたんだ。
俺には内緒にしてたってことなのかよ。

「あんただろ？夏がかたくなに耐えてる原因。俺はあんたと夏の関係は知らない。けど、あのおばさんとあんたと夏がなんか関係してるってのはわかる。」

諒ちゃんは目の前にあったベンチに座って、俺を下から見上げた。

「あんたがどういうつもりで夏の家にいるのかわからねーけど…夏は…一回男にひどいことされてるから…トラウマで今まで恋愛できないでいる。だから…夏のこと守れねーなら、ここからでていけ。」

男にひどいこと？