秘密の同居生活～オレ様副社長の罠にはめられました～

「副社長。スーツが涙でぬれちゃいます。ダメですよ。」

夏菜は離れようとするけど…俺はもっときつく抱きしめた。

離したくなかった。
このままずっと夏菜のぬくもりを感じていたかった。

離したら…もう戻ってこないんじゃないかって…

「嫌だ。離さない。夏菜がどっかいったら嫌だから。夏菜を守れなくなったら嫌だから。絶対離さない。」

「副社長…。」

俺の腕の中で夏菜が力を抜いた。

「夏菜。俺は、夏菜に無理なお願いをしてる。だから、絶対俺には全てを話してほしい。
母親が来たのはいつからで、何をされたのか？他には何もなかったのか？それにこれから先も何かあったらすぐに。じゃないと、俺はここにいれなくなる。俺は…わがままかもしれないけど、ここにいたい。」

「わかりました。全部話します。」

俺は夏菜を抱きしめていた腕をゆるめた。
そして、夏菜は俺を見上げると話し始めた。