秘密の同居生活~オレ様副社長の罠にはめられました~
「お母さんがいらっしゃったのは先週の木曜日からで、結局、木、金、土、そして今日の月曜で4回目です。最初はずっと泥棒猫!ってさけんだり、会社やめなさい!って言ったり、言葉だけでしたけど、今日初めて手をあげられました。1回だけですけど、頬をひっぱたかれました。
それで怖くなって、どうしようかと思ってたら諒ちゃんがちょうど来てくれて、諒ちゃんがお母さんに「やめろ!」って言ったら、そのまま車で帰って行かれました。たぶん、自分もひっぱたいたことにびっくりされてたような気はしました。」

なんてことだ。母親はそこまで追い詰められてたのか…。
そして、それを耐えていた夏菜は…

「ほかには何もないのか?」

「ないです。それだけ。ほかのことは何もないです。」

「わかった。母親は病院に即刻、通わせる。あと、母親の執事に話してみるよ。これからも、絶対にすぐに俺に言うように。母親のことだけじゃなくな。仕事中でも関係なく電話するんだぞ。」

「はい。」

夏菜の下から見上げる顔がかわいすぎる。

「夏菜。おまえ反則級だぞ。」

「え?」

そこで、諒ちゃんの言った言葉が脳裏によみがえる。

『夏は…一回男にひどいことされてるから…トラウマで今まで恋愛できないでいる。』

…って…
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