秘密の同居生活～オレ様副社長の罠にはめられました～

◇

「お前、本気なんだな。」

母親は入院となった。
医者は通院でよいと言ったのだが、母親が徹底的に治したいと入院を選んだ。

とりあえず執事がすべての手配はすると病院に来てくれた時点で俺たちは仕事に戻った。

京太郎の運転は慎重で絶対に無理はしない。

「なにがだ？」

「葛城夏菜だよ。」

「当たり前だ。」

京太郎がフフッと笑った。

「なんだよ？」

「いや、お前の本気…初めて見たよ。」

そしてやっぱりフフッと笑った。

「当たり前だ。はじめてだからな。問題は相手がどう思ってんのかさっぱりわからないってとこだ。」

「は？」

京太郎が運転中にもかかわらず、一瞬こっちを見た。

「おい！前向けよ。」

「あー。悪い。」

あわてて前を向く京太郎。