秘密の同居生活~オレ様副社長の罠にはめられました~
そのあと、木谷航平は女子社員にしばらく囲まれていたけれど、わたしはそっと朝礼の行われている海外事業部のフロアである9Fをあとにした。

仕事は月曜日だから、それなりに忙しい。

伝票は週末の分がたまっているし、朝から伝票処理に忙殺されていた。
気づけば昼。

昼ごはん食べなきゃ…

宝永の管理部の昼は、社食組と外飯組、そして、デスク組に分かれる。

わたしはほとんどはデスク組。
お弁当を持参して食べながら仕事していることが多い。

経理課の女性たちは既婚者が多かったので、それなりに仲良くしていたが、休日のことまではお互いに干渉しないような関係だ。

彼女たちもお昼ご飯はお弁当を持参していることが多く、自席でそれぞれお弁当をついばみながら、雑談をしているくらいのものだった。

基本的にはあまり人と交わらないようにして生きてきた。
すべては高校の時のトラウマが原因だ。

ほんとに信頼できる友達は美奈子くらいのものだ。
彼女だけは何があってもずっとわたしと一緒にいてくれた。

お昼ごはんの後、トイレに行き、手を洗っているとスマホが震えた。
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