秘密の同居生活~オレ様副社長の罠にはめられました~
副社長にとってはきっとかおりさんへの想いを断ち切るための癒しでしかないはずのこの家。

副社長は…ここにいたいと言ってくれた。
それだけでうれしくて舞い上がっているわたしだけど…。

心の奥ではかおりさんを想っているはずで…。
かおりさんとの婚約を破棄してしまって…心は傷ついてる副社長の…ちょっとでも癒しになれば…。

ごはんをテーブルに並べながら、ジュジュとたわむれている副社長を眺める。

そうか…ジュジュも癒しになってるかもね…。


今日も副社長はおいしそうに全部ペロリと夜ご飯をたいらげた。

やっぱりそんなにおいしいって言ってもらったらうれしい。

「これでシンガポールは落ち着いたよ。」

副社長は塩サバの骨をとっている。

「明日からは日本(こっち)の予定。しばらくは今のところ海外の予定はなし。今週末はできたら土日とも休んでゆっくりしようと思ってるよ。9月になったし、動物園行くか?」

「え?ほんとに?」

副社長がフフッとまた笑ったので、思わずわたしも笑顔になる。

「うれしいです。」

「じゃぁ土曜日。決まりな。」

「はい!」
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