秘密の同居生活~オレ様副社長の罠にはめられました~
わたしはそれでも午後の仕事は必死で耐えてやりぬいて…
ものすごく長く感じられたけど…
定時になったら即刻会社を出た。

とにかく今日は早く帰って家で思いっきり泣きたかった。
副社長が帰ってくる前に…

また…副社長を笑顔で迎えないといけないから…
そのためにも…


駅まで歩きながらも今にも涙があふれそうになる。

耐えられなくって右の瞳から涙がこぼれた。

ダメだ。

大急ぎでコンビニのトイレに入って涙を拭く。
こんなんじゃ副社長にバレちゃう…。

鏡で自分の顔をチェックして

「よし。」

ほっぺをひとつ引っ叩くとトイレを出た。


そしたらそこにはなぜか…
心配そうな顔をした木谷くんが立っていた。

「夏菜?大丈夫か?」

え?

その言葉はあまりにも木谷くんに似合わなくて、わたしはちょっと笑ってしまった。
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