秘密の同居生活~オレ様副社長の罠にはめられました~
◇
「副社長。おかえりなさい。」
あんなことがあったっていうのに、夏菜は家でふつうにごはんを作って待ってくれていた。
俺は、もう会社に帰る気もうせてそのまま直帰すると京太郎に連絡し、葛城邸に戻ってきたところだ。
「ただいま。」
玄関では、ジュジュも折れんばかりにしっぽを振って出迎えてくれる。
夏菜は笑ってはいるけど、若干疲れた表情をしている。
よく見ると目もはれてる?
泣いてたのか?
俺は相変わらずおいしいごはんをいただき、夏菜が片付けている間にジュジュを散歩に連れて行った。
「なぁジュジュ。俺、夏菜にどう思われてんだろな。」
ジュジュは「ワン!」と返事をした。
「俺、告白してもいいと思うか?」
そしたらジュジュは「ワンワン!」と2回返事をした。
なんかそれが後押ししてくれているような気がして…
もうそろそろ本気でいかないと俺は、本気で夏菜をなくしてしまうだろう。
木谷の気持ちを夏菜は本気と思ってなくて、
けどもしそれがほんとに本気だって夏菜が気づけば、
夏菜はかつて好きだった男のところに行ってしまうにちがいない。