秘密の同居生活~オレ様副社長の罠にはめられました~
「夏菜だ。」

「え?」

夏菜が顔をあげた。
何が起きたかわからないという顔をして俺を見上げている。

ああ…かわいい。
抱きしめたい。

「そのパーティーで…夏菜を連れて…俺の婚約者だって言いたいと思ってる。」

「それはまたフリをしろってことですか?」

キョトンとした顔で見上げる夏菜。

は?
もうコイツは…。
どこまで鈍いんだ!

「ここまで言ってるのにわからないのか?俺が好きなのは…かおりより好きになった女は…夏菜だよ。」


言った…。
人生初の渾身の告白だ…。


「え?」

やっぱり夏菜は何が起きたかわからないという顔をしていて…。

「夏菜!そのコーヒーメーカーをそこに置け。」

熱いコーヒーが入ったままのコーヒーメーカーをずっと夏菜は持ったままだった。

「え?はい。」

コーヒーメーカーをいったん見て、キッチンの上に置いた夏菜を俺は思いっきり抱きしめた。
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