秘密の同居生活~オレ様副社長の罠にはめられました~
「ふうん…」

そして、やっぱり俺を品定めでもするように見る。

「どうも。春くんです。」

俺は笑いをこらえて、諒くんにそう挨拶すると、右手を差し出した。

諒ちゃんもしぶしぶ右手を出して、握手を交わした。

「いつも夏菜が、お世話になってます。」

俺はニコッと笑顔で言ってやった。

「どうも。」

諒ちゃんは、ブスッとして言うと、夏菜を向き直り、

「じゃあな。夏。またなくなったらすぐ言って。あ、これ、また返しに来るから。」

タッパーをちょいとあげてそういう諒ちゃんは玄関ドアを開ける。
夏菜は笑って玄関を出ると諒ちゃんを見送っていた。


そして…
諒ちゃんを見送った後、夏菜が玄関に入ってくると、俺はぶっきらぼうに言った。

帰ってきてそうそう男が葛城邸にいたことで、なんとなくそんな態度になってしまってたのかもしれなかった。

「夏菜。昼ごはん!」

「えっ?はい!」
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