秘密の同居生活~オレ様副社長の罠にはめられました~
夏菜は何も言わずに、冷蔵庫からうどんを取り出し、冷やしうどんと梅おにぎり、カツオおにぎりを握ってくれた。

「うっま。」

海外帰りの俺にはこういうのがいいって…夏菜はわかってる。

そして、おいしくいただいてる俺の顔をちょっと嬉しそうにニコニコ笑いながら眺めつつ、後片付けをしている。

「夏菜。さっきの…誰?」

俺はうどんをすすりながらさっきから気になってたことをさりげなく聞いてみる。

「えっ?ああ。諒ちゃんですか?」

「って夏菜が呼んでたやつな。」

夏菜は洗い物をふきながらいう。

そして、自分がなぜか夏菜と呼んでいることに気づく。
けど、あの男は夏となれなれしく呼んでいたから俺は夏菜って呼ぶ。これからは。

「北村酒店の次期社長です。いつもおじいちゃんがお酒頼んでた近所の酒屋さんで、いろんな銘柄、持ってきてくれるんです。」

「ふうん。」

俺が夏菜と呑んでる酒はあいつが持ってきてるのか…

「同い年くらいか?」

「ええ。同級生です。両親が死んでからずっと近所だったから助けてもらってばっかりかも…」

「で…時々、料理も渡したりしてると?」

「そうですね…おばさん死んでから諒ちゃん家も男2人だし、時々は…」

「……」

ふうん…
なんか気にくわない…
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