秘密の同居生活~オレ様副社長の罠にはめられました~
「おまえのごはんなしじゃ、生きていけない。」

見つめられた瞳に、わたしの瞳の奥がこじあけられそうな気がして…わたしはどうしたらいいかわからなくてそのまま固まっていた。

「ずっといていい?夏菜のとこに。」

「え?」

副社長の瞳はどんどんわたしの瞳の奥に入ってこようとする。

わたしは固まったまま…心臓の鼓動だけがドクドクドクドク早鐘を打つ。

「俺は…」

副社長が何か言おうとしたとき…
突然、前の方からボールがとんできた。

子どもが使うようなやわらかいドッヂボールくらいの大きさのものだ。

副社長は両手をのばしてボールをひょいとつかむと、前から小学校高学年くらいの男の子が2人かけてきた。

「ありがとう!おにいちゃん!」

「おう!気にするな。小さい子に当てないように気をつけろよ。」

「うん。気を付けるよ!」

2人の子達が去ると、副社長は立ち上がった。

「さ、行こうか。そろそろ帰って、今日は早く寝ないとな。」

「はい。」

わたしも立ちあがった。

けれど、わたしのドキドキはまだ止まらなかった。
副社長に見つめられた瞳の奥から…想いがあふれ出しそうで…

もしかしたらわたしの想いを気づかれたんじゃないかって…


けれど…何を言いたかったのだろう…。


ねぇ…副社長。
わたしどんどん好きになっちゃいます。

このままじゃ
好きがとまらなくなっちゃいます…。

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