私を殺して
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俺は、結局聞き出せなかった。

佐々木さんは、組と聞いても全く動じずそれどころか、駆け引きまでしてきた。

あのときの、あの雰囲気は只者ではない。

そう直感的に感じた。

組の人間と知った軽蔑の視線でも、恐怖の視線でもない。

試すような、獲物を捉えるような、、、、まるで狼のようだった。


もっと、詳しく、知りたい。


無性にそう思う自分が居た。


ハッキングしても、出てこないそれほどの価値がある彼女だと分かった。


また、佐々木さんに会いたい。

会って、話がしたい。

聞きたいことがたくさんある。


また、会いたい。不意にそう思ってしまった。
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