私を殺して
大きな正門をくぐり抜け、玄関へ向かう。

私が通う高校 青葉学園高等学校はエリート高校だ。

各界のトップの子供が集まるこの学校は、権力争いの場所。

表では仲のよさそうにしてても、本当は真逆。

ほとんどの生徒がライバル視している。

そのなかで私はとんだ場違いな人間なのかもしれないが、別に気にしない。

ほとんどの生徒が、ライバルが一人減ったと思うだけだからだ。


騒がしい廊下を人を避けながら教室へと向かう。


教室へ着くと、皆は作り笑いで優雅にお話し中。そんな人達を横に私は寝る。



夜仕事は体に響き、睡眠が足りない。なので、こうやって学校に着ては即座に寝ているのだ。


だが、一つだけ難点がある。ここの階は三年教室への通り道なのだが、王子とか呼ばれるやつが登校してきた時が一番うるさい。


気に入られようと必死にアピールして、キャーキャー騒ぐ。  



全員喋れなくさせたいが目立つので我慢している。





今日も王子が通る。

いつも通り教室が騒がしくなる。

いつもなら少し我慢すれば静かになるが、一向にならない。

それどころかうるさくなるばかりで、寝るに寝れない状態だ。

声が大きくなり、歩いていた音が私の近くで止まった。

不思議に思い目を開けると、王子とか呼ばれる奴が私の目の前に微笑んで立っていた。


あーあ。気持ち悪い。心から笑ってない笑顔は心底吐き気がする。

視界にも入れたくないそう思いまた、寝よとすると声を掛けられた。

「佐々木さん?」

あぁ。佐々木は私の偽名。そんなことは置いておいて、何故こいつが私を呼ぶのか。呼ぶ理由が見当たらなく、無視しようと黙っていたらまた声を掛けられた。


「佐々木さん。無視じゃなくて、話があるのでちょっと来てください。」

wait!言い方に非がある。そんな言い方したら私のJKLIFEがズタズタになる。

そう思うのと比例して、周りの女子は叫びだす。えっ?九条様って、、とか、こんな人のどこが…とか、完全に勘違いしてるやつらが多すぎ。

九条と言われる奴を恨みながら、この教室に居ると今日の睡眠時間が無くなるので足早に出た。

「佐々木さん?何処に行くんですか?」


九条は追いかけてくるし、女子はうるさいし、人がいない空き教室に逃げ込んだ。

ただ、それが間違いだった。

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