先生の全部、俺で埋めてあげる。
「今日は家来る?」
隣にいた女子の声が聞こえて、我に返る。
「あー、ごめんやっぱ今日予定あった」
「え?」
俺は一緒にいた女子に、ごめんと謝りながら
1人で図書館へ向かった。
先生、今日は来るかな。
いつもだったら適当に本を選ぶけど、今日はそれすらもしない。
机にうつぶせになりながら先生を待つ。
本来の図書館の使い方を全く無視してる自分に笑う。
俺の横を通り過ぎる人影を感じて。
誰かが椅子を引く音が聞こえたから、慌てて顔を上げた。