先生の全部、俺で埋めてあげる。



俺は無我夢中だった。


やっと先生に触れることができた。


嬉しかった。




だけど先生は違ってて。


突然、無我夢中だった俺の唇を噛んだ。




「いって…」




口の中でほんのりと血の味がにじむ。




唇を離した隙に先生は俺と距離をとって、俺を睨みつける。




「なにするの…?」


先生はひどく怒ってるみたいで。


でもそんな先生すらも愛おしいと思ってしまう俺は、たぶんちょっとおかしい。



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