先生の全部、俺で埋めてあげる。




月曜日。


ずっと寝てたおかげで、体調は少しマシになった。


まだ少しぼーっとするけど。


朝学校へ行く準備をしていると、そこで初めてブレザーがないことに気が付いた。




先生の家に忘れてきたんだ。


しょうがないから、ブレザーなしで学校へ向かう。




学校に向かう途中で柾木と会った。


「お前ブレザーは?」


いつも気づいてほしくないところに気づく柾木。


まあ、目立つよな。


「ほんとだ、忘れた」




俺はいつものようにとぼけてみせる。


「まじ?てかお前顔色悪いけど、大丈夫か?」

俺のブレザー貸すよ?と柾木は続けた。




もう、ブレザーがどうとか俺にはどうでもよくて。


金曜日、無理やりキスをした日から始めて先生と顔を合わす。




どんな顔をして会えばいいのか、俺には到底分からなかった。



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