先生の全部、俺で埋めてあげる。

HRが始まるチャイムがなって、クラスのみんながそわそわしながら席に座る。

俺は窓際の一番後ろの席で、頬杖をついてぼーっと外を眺めていた。



雨、止まないかな。



そんな事を思っている時だった。

ガラガラッと扉があく音が聞こえて、音のする方へ視線を向けた。



───え?



教室が一気にザワつく。

ザワついているのは分かるのに、あの時と同じ。

俺の耳には何も入ってこない。

まるで水の中にいるみたい。

そんな感じだった。

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