先生の全部、俺で埋めてあげる。
先生は授業中ずっと咳をしていて。
「先生風邪?」
女子生徒が聞いていた。
「うんん、大丈夫」
きっと大丈夫じゃないんだろうなって、なんとなく思った。
「先生も風邪かな。流行ってんのかな」
って柾木は俺に向かって言った。
結局先生にも風邪を引かせてしまった。
先生が辛いときに寄り添ってあげることもできない。
彼氏に看病されてんのかなって思うと、どうしようもなく虚しくなった。