先生の全部、俺で埋めてあげる。
「どこにいんだよ…」
一人でいたから彼氏は帰ったんだよな。
反対側の校舎は、一般の人は立ち入り禁止になっていて、文化祭の出し物もない。
一人、ガランと静まり返った校舎を歩く。
音楽室前を通り過ぎるところでガタンと物音がした。
音楽室の中を覗いてみると、
いた。
先生が窓際で外を眺めていた。
「こんなところで何してるんですか?」
俺の声にびっくりしたみたいに、先生は慌ててこっちを見て、すぐにまた窓の外に顔を向けた。
え?
先生、泣いてる?