先生の全部、俺で埋めてあげる。
教室に入ってきた先生は相変わらずの凛とした立ち姿で。
いちいち胸が騒ぐ。
昨日のことがあったからきっと目も合わせてくれないだろうと思っていた。
どうせまた避けれるんだろうなって。
前にキスした時だってそうだった。
それなのに、
先生は真っすぐ俺を見た。
時間が止まる。
音が消える。
先生と目が合った瞬間、全身が心臓になったみたいにドキドキする。
多分時間にすると1秒もたっていない。
それくらい短い時間。
だけど俺の感覚では、もうずっと目が合っている感じになる。
俺がどうあがいたところで、俺が先生に惚れている時点で、俺の負けなんだ。
そう実感した。