先生の全部、俺で埋めてあげる。
「やっぱりここにいた」
夕焼けのオレンジ色の光が図書室全体を照らしていて。
そんな夕焼けの光で、あなたがより一層神秘的に見えてしまう。
図書室の中にいるのは先生一人だけ。
「里巳くん…」
先生が俺を視野に入れる。
今の先生には俺はどう映ってますか?
厄介なやつが来たなと思ってますか?
それとも…
「こんなところで何してるんですか?」
「なんにもしてないよ」
そう言って机に広げてある本やプリントをかき集めてまとめる先生。
多分俺が来たからこの場所も使えないと思ったんだろう。
「酷いな。そんなに俺のこと避けないくてもいいのに」
「避けてるわけじゃないよ」
「じゃあ、俺のこと受け入れてくれるんですか?」
「それもできない」
やっぱり先生はいつも俺の気持ちをぐちゃぐちゃにする。