先生の全部、俺で埋めてあげる。
先生が何を調べているのか気になって覗いてみると、それに気づいた加ヶ梨先生は顔を上げた。
「授業のノート作ってるの。私今は臨時だけど、いつかちゃんとした先生になりたいなって思ってて」
「真面目ですね」
「おもしろい授業にしたいじゃん」
そう言って先生はまた笑った。
だからあんまり笑わない方がいいって言ってるのに。
先生の笑顔に釘付けになっていた事に気付いて、急いで視線を本に戻した。
…顔が熱い。