先生の全部、俺で埋めてあげる。
あれから俺はずっとここにいたのに。
ずっとあなたのこと待ってたのに。
一度も来なかった。
もう会えないと思って、ずっとモヤモヤしていた。
だけどもう一度会えた。
そう思うとこの梅雨のジメジメとした嫌な感じも、ずっと不機嫌だった自分も、どこかに飛んでいってしまったんだ。
それから俺はまた図書館に通う日々が続いた。
先生はいつも沢山の資料を持ってきていて、明日の授業の準備をしている。
学校でも会えるけど、図書館で見る先生は、他の生徒が知らない先生を、俺だけが知っているみたいな気がして、ちょっとだけ嬉しかった。
特別な会話なんてしていない。
ただ同じ空間に先生がいる。
それだけで十分だった。