先生の全部、俺で埋めてあげる。
先生ともう会えないと悟った高校生の俺は荒れた。
何もかもがどうでもよくなって、学校も休みがちになった。
言い寄ってくる女子たちも、断るのが面倒になっていて。
ただ、寂しさを埋めるためだけに関係を持った。
その時は必死で無我夢中で、満たされるのに。
終わると直ぐに虚しくなって。
現実がいかに残酷かを思い知るんだ。
虚しさの中で、先生の存在の大きいさを感じる。
俺は、こんなにも誰かに執着するなんて思ってもみなかった。
彼女も友達も親だって。
別にいなきゃいないでそれでいいと思っていたのに。
先生だけは。
どうしても諦めきれなかったんだ。