先生の全部、俺で埋めてあげる。




大学に入って数か月がたった頃、柾木から連絡があって、久しぶりに会うことになった。


柾木とは大学は別々になったけど、今でもこうやってたまに会う。


ファーストフード店で適当に飲み物を注文して席に座った。




「お前最近どうよ?」


柾木の第一声はいつもこれだ。


「別に何も変わったことはないけど」


「大学にかわいい子いないの?誰か紹介して」


彼女と別れたばっかりなんだよーと柾木は続けた。




「お前、女の話しかできねーの?」


「それ以外なんか話すことある?」


もはや呆れるのを通り越して尊敬すら覚える潔さ。



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