先生の全部、俺で埋めてあげる。
「いつから気づいてた?」
「先生が赴任してきた日。って言ったらどうする?」
は?
「うそだろ?」
「だってお前嬉しそうにしてたじゃん。分かるよ」
そう言ってストローに口をつける柾木。
さすがにそんな前から気づいていたなんて思ってもいなかったから。
今までとぼけてきた自分が、とてつもなく恥ずかしい。
「夕惺、意外と一途なんだ」
「意外とってなんだよ」
「どおりで特定の彼女作らない訳だよな。もったいない。俺がその顔だったらもっと遊びまくってるけどな」
「もうその発言、聞き飽きたんだけど」
「うわ、何それ。俺も言ってみてー」