先生の全部、俺で埋めてあげる。



柾木と喋っているとなぜかホッとする。


他愛もない話をして。


くだらない話で盛り上がって。


一瞬でも苦しい気持ちを忘れられる。




「まあ、俺に協力できることがあったら何でも言えよ。しゃーなしで手、貸かしてやっから」


「絶対言わねー」


「は?俺はここまで夕惺のこと思ってんのに泣くわ」


そう言ってウソ泣きを始める柾木。


「ウソだよ。これからは言うよ。ありがとう」


「お、おう。なんか素直に言われると恥ずかしいな」


「なんなんだよ、お前」




本当に柾木にはいつも感謝してる。


こんな不器用な俺を分かってくれていて。


いつも気にかけてくれて。


俺はきっといろんな場面で柾木に救われている。



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