先生の全部、俺で埋めてあげる。
「加ヶ梨は自分のせいだと思って、ずっと抱え込んでいたらしくてな。
このまま退学するかと思ってたんだよ」
言葉が出なかった。
「今でもたぶん自分のせいだと思ってるから、如月の代わりに教師になろうとしているじゃないかな」
先生は図書館でいつも授業の準備をした後に、採用試験の勉強していた。
そんなに教師になりたいんだなって、そんな夢に向かって頑張ってる先生も好きだった。
でもそれが、亡くなった恋人のためだったなんて。
「そう言えば、そろそろ如月の命日だな」
「いつですか?」
「10月14日」
来週だ。
俺はチャンスだと思った。
「教授、お墓の場所教えて下さい」
先生に会える最後のチャンスだと。